愛媛大医学部付属病院(東温市志津川)は、胎児を包む羊膜を保存し、目などへの移植用に院内外へ提供する「羊膜バンク」をこのほど設立した。病院によると、国立大でのバンク設立は初。羊膜は移植で目の一部となり、失明に至る恐れがある難治性の眼疾患に有効とされ、同病院細胞プロセシングセンター長の白石敦准教授(53)は「他の治療より再発率が低い。年明けにも1例目に取り組みたい」と準備を進める。
 羊膜は生まれる前の赤ちゃんを包んでいる薄い膜で、出産で胎盤の一部などと一緒に体外に排出される。白石准教授によると、伸縮性に富み炎症を抑える働きがあるほか、移植しても拒絶反応が起こりにくい。眼科では羊膜移植が2014年4月から保険診療になり、皮膚科などでも研究が進んでいる。